定期借家契約について

ここ数年で、弊社でも定期借家契約が、増えて来ました。
東京では10年以上前から、比較的よくある賃貸契約でしたが、札幌でも、増えて来た気がします。

 普通の賃貸借契約(短期賃借権)では、1年以上~3年未満の契約期間ですが、契約満了時には通常自動更新されます。
賃貸借契約書上は、貸主側からの解約予告は、6か月の解約予告で良い事になっていますが、正当な理由による事が必要です。

そして、判例を見ると、この賃貸借契約を解約する正当な理由は、ほとんど世の中にありません。
建物老朽化によるとか、維持管理するのに多大な費用がかかると言う理由は、どれも認められません。
つまり通常の賃貸借契約だと、貸主から入居者に退去を求めると、立ち退き費用が発生する事になり、立ち退き費用は、賃料の6~8ヶ月分+αになります。

定期借家契約は、
①契約期間があらかじめ決められている賃貸借契約です。
②契約の更新がないため、契約期間が満了すると借主は退去しなくてはなりません。
③ただし、貸主と借主の双方が合意すれば、期間満了後の再契約は可能です。
 ※更新では無く、あくまでも再契約です。

 借主が手厚く保護されている通常の賃貸借契約に比べ、定期借家契約は、貸主の権利も認められた賃貸借契約です。

 例えば、転勤で一時的に札幌を離れるが、転勤の目安が5年程度と判っている時や、娘さん夫婦が5年を目安に札幌に帰ってくると判っている場合など、この定期借家契約は、非常に有効と思います。

 尚、定期借家契約を終了するのには、貸主から定期借家契約の期間満了の1年前から6か月前までの間に終了通知をする必要があります。